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ときおり、近所の方から、すれ違いざまに、好意的な微笑をそえられ「またワンちゃん飼わないの?」と尋ねられることがある。その度に、僕はだらしない、無骨な笑みを口元あたりに浮かべて(たぶん)、「いやあー」と頭の辺に手をやり、「犬はもういいかな」などと応えている。でもなかには、「じゃあ、猫ちゃんなんてどう?」なんて、聞かないでよ、僕はもう動物(?)を家で飼うことはしないと思うよ。(果たして彼らは本当に動物なのだろうか?)
ユタ、ホワイトシェパードの雑種、つまり「ハイブリッド犬」ですが、彼と共に7年半暮らし、先に逝かれ、もう十分なんだよ。
この写真に映っているユタは、まだニューヨークにいた頃のもので、ブロンクス・リバーデイルの高層アパートのリビング、生後1ヶ月ぐらいのユタくんです。
もう何も言うことは無い。
「この世は幻、マーヤである」と、お釈迦様気取って直覚することは簡単だし、でも、常日頃からそう粋がってる(?)パンクな僕も、その喪失に、なぜか今涙がこぼれる。
いやだね、しみったれているのさ。けれど、なぜだろう?
時にそこらへんにうろりとやって来るユタの面影や匂い、存在の気配、微かなトーンのようなものを感知しては、「あ、そう、来たのね」ぐらいにしか応えちゃやらないのに、ね・・・・。
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