2026/03/25

陶芸考 〜茶盌の魅力について〜



陶芸作品の味わい方には、以下4項目が挙げられます。


1.見た目(肉眼で知覚、判断可能なレベルでの外観)

2.使い勝手

3.手による触覚レベルでの「触り感」

4.佇まい(上述1〜3を通過したのち)


写真や絵画などは視覚のみによる鑑賞、そこで生まれる味わいがすべてですが、陶芸の面白さ、魅力とは、直に手で触れることが出来て、使うことにより初めて見出される美の内にあると思います。

広義な意味で視覚芸術全般、たとえば写真や絵画、書、彫刻作品などの作品との関わり合い、関係性では持ち得ない、身体的な陶芸ならでは特質、これは日々の暮らしに彩りを添えることになります。

もちろん陶芸による創作、表現とは、「使うこと」が前提にありますので、その表現の幅、創作における自由度は抑制されます。しかしその抑止、規制が、陶芸家の意識にただならぬ配慮を促し、他の芸術作品の制作とはやや異なった想いを招き寄せ、不可思議な「無私」の波打ち際を鮮やかに示すことにも繋がってゆくのだと思います。

 

美術館や博物館等で、ガラスケースの中にぽつんと置かれ、人の手が触れられない場所で、もう誰にも使われなくなった、鑑賞される為だけのお茶盌はどこか寂しげなものです。

 

 

 


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