壺 Vase
(銘)黒龍
陶器は、料理や酒、花やお茶などの主役を彩る小さな舞台として使用されることを本望とします。
陶器は、料理や酒、花やお茶などの主役を彩る小さな舞台として使用されることを本望とします。
では、現代における壺の存在意義とは何だろうか?
床の間やリビングの棚、玄関のサイドボードなどに置かれる鑑賞用もしくは居住空間にある種の視覚的アクセントを提供するのが通常の壺の役割というものですが、さらに踏み込みこんで、その究極的な意味合いとは何でしょうか?
床の間やリビングの棚、玄関のサイドボードなどに置かれる鑑賞用もしくは居住空間にある種の視覚的アクセントを提供するのが通常の壺の役割というものですが、さらに踏み込みこんで、その究極的な意味合いとは何でしょうか?
「壺中の天」という言葉があります。
これは、中国の古典『後漢書』に記された神仙思想に由来する「壺の中には俗世間から離れた素晴らしい別世界(仙境)がある」を意味する言葉として使われてきました。
そして『意味の変容』著者である森敦は、壺という限られた空間(内部)の中に無限の広がりや別世界、双曲線空間を見出す独自の解釈を試みています。
つまり、壺の形而上の意味とは、知覚を超えた"空(天)"を受け取る「姿」、これを示唆し、予感させることにあるように思います。
*「大小はただ外部から見て言えることであって、内部にはいれば大小はない。なぜなら、境界は外部に属し、外部から見た内部の大小は、この境界によって判断される。しかし、内部には境界が属しないから、いわば無限であり、無限には大小はない。」(『意味の変容』〜「アルカディア」より)

