昨年10月に、友人たちのご厚意により2冊の写真集を上梓させてもらい、それ以降、何だかホッとしてしまったのか、以前のような心構えで撮影に臨むことは無くなった。気まぐれに、iPhoneで撮ってみるものの、さんざん撮りまくった被写体ばかりをなぞるように撮っているだけだから、あちら側へぶっ飛ばされるようなワクワク感はもうない。熱くもならない。
まぁそんなもんだ。
それで今年に入り、集中的に音楽と向かい合う日々が続いている。ただし、新しい楽曲を作る気にはならないので、今まで作った作品のリマスタリングをしているだけ。ことさら他に用事もないし、でも一年前と比べると「ずいぶんイコライジング仕様の聴感が出来たなぁ」と感じる。エンジニアリング、独学だからか、ここまで来るのに10年もかかってしまった。
22、3歳からインストルメンタルの音楽を作り始め、これまで何曲作ったのか数える気もないので分からないが、アルバムにしたら20枚ぐらいになるのか?よくもまあ、どこにも発表するあてもなく、ごちょごちょ1人作り続けたものだ。
20代の頃から本気になって写真をやり音楽をやり、当時は「二足の草鞋を履いたら成功できない」的な風潮があって、そんな嗜めの言葉を何度か投げかけられたこともあったが、写真と音楽、その両方の制作を続けられて良かった良かったと、今は思う。
還暦を過ぎ、当然のことながら、身体の死は意識せざるを得ないが、もし写真や音楽を作る以上の楽しみと出会えたら、もちろん創作活動なんぞはスパッと止めてしまうかも知れない。それは、きっと、そういうもんだ。
僕の中の誰かが「もう充分作ったよ」と。
blank(1984年作)
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