この『バラード ballad』という音楽作品は、TASCAMの4chオープンリールデッキを使用し、多重録音により制作しました。
自身の声の重奏を主体とし、鐘の音やギター、マイクスタンドへの打音等を加え、雨の音などの外音も取り込み、1つの音響空間の創出を試みたものです。
ロックやフォーク、ソウルミュージックなどの影響受けた歌を書き、歌っていた僕が、はじめてインストゥルメンタル音楽の世界に入るきっかけとなった作品でもあります。
当時、ガラス清掃のアルバイトをしながら不定期に都内のライブハウスでアコギ1本で歌を歌っていた者が、『バラード ballad』という何とも摩訶不思議な音楽をなぜ作ろうと思い立ったのか?
それは1984年のある夏の正午。仕事中、銀座の美術ギャラリーでたまたま見かけた町山京子という作家のインスタレーション作品との出会いが、『バラード ballad』制作へと僕を駆り立てました。
「もし、この展覧会場に音楽を流すとしたら、どんな感じのものが合うのだろう?」と、突然閃いたのですが、ある外的な視覚情報が制作の動機となったことは、後にも先にもこの時限りです。
「もし、この展覧会場に音楽を流すとしたら、どんな感じのものが合うのだろう?」と、突然閃いたのですが、ある外的な視覚情報が制作の動機となったことは、後にも先にもこの時限りです。
時間と空間の法則によって成立しているこの世界、この法則はなぜ生まれたのか?もしくは必要とされたのか?ーー何のために?
宇宙の起源とされるビックバンの原因をあれこれ推測できたとしても、それが一体何の、誰の役に立つと言うのだろう。
ビックバンは「意識」の誕生、流出であると言う説もあるが、この仮説には物理学的なアプローチでは近づけない、肉体や五感、つまり時間と空間の法則から自由になる為のヒントが隠されている。
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