2025/01/04

インディアン・サマー indian summer

まだ20代の頃、フォークギター1本で歌っていたことがあった。

歌うこととは、「啼き叫ぶことだ」と勘違いしていた若者が、35年近く前の歌声に耳を澄ましていると、そこには居た。

昔のライブ音源をそのまま使うのは気恥ずかしさもあり、バックにうっすらとシンセで音を足し、野原、空域を作ったやった。

やがて彼は、人前で歌うことが嫌になり、そして自分の声帯や歌が要求する形式に居心地の悪さ、制約を感じ、より自由なインスツルメンタル音楽の世界に魅了されていった。

唄と「音楽」は違う。

なぜなら、唄は、人間の「声」という諸楽器には持ちえないリアリティーと、「言葉」という明確な意味内容の措定により、音楽が、あくまでも唄を支える背景となってしまうからだ。

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