音楽ジャンルの中には、「ニューエイジ・ミュージック」や「ヒーリング・ミュージック」とカテゴライズされたものがあります。
40年ぐらい前は、喜多郎というシンセサイザーを駆使したミュージシャンなどが有名で、そのジャンルの代表的な人物でした。が、僕はその手の音楽が肌に合わず、ほとんど聴いてはいませんが、ブライアン・イーノが提唱したアンビエント・ミュージックのレコードはよく聴いていました。
イーノの音楽は革新的で、多くのミュージシャンに影響を与えましたが、「聴くことの豊かさと自由を」提示した、それまでの音楽の歴史にとって新しい視点を、聴点を明らかにその作品の中で示し得た、重要な仕事を残した人だと思います。ただ、その作品内の作曲者の心の視座、これは坂本龍一さんの音楽にも共通する部分ですが、特に"方向性"は無く、つまり「神とは何か?」「愛とは何処から発現したのか?」を放棄したうえでの実践なので、とても心地の良い温泉にずっと浸かり続ける感じが、「音楽」の中にじっと閉じ込められてしまう感じが、ちょっと麻薬的と言うか、村上春樹的でもあり、途中から聴かなくなりました。
音楽の目的とはその音楽を聴き終わる、聴き終えた後に何が残るのか、もしくは聴いている最中に何が拓くのか、すべての音楽には始まりがあり終わりがあり、音楽の真の目的とはその音楽を聴き終わった時から始まる何か?思い出されるサムシング・グレートではないだろうか。
しかし、その始まる何か、想起される何かの為に、わざわざ外的な音楽を聴く必要はあるのだろうか?という膝カックン。
ただ、この「thank you 」という曲は、上記した三つのジャンルの中には収まりたくないのです。
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