2011/02/28

『器』 / utsuwa



先日、ここ裏高尾には雪が降りました。
その際、撮影した映像を、以前制作した楽曲「itsuwa -いつ輪-」という、ちょっと実験的な音楽と重ね合わせてみました。

僕たちの五感は、たぶん、まだ使用されたことの無い、眠り続けているパーツが豊富に在るのでしょう。
この五感、知覚が、感覚の射程範囲というものが拡大すればするほど、この世界は、人間が作り出す文明は、今とはまったく違うものになるのかもしれません。
いわゆる真のアナーキズム、「革命」とは、表面的な、社会学的な視点による、その領域内での挑戦、または実践というより、僕たち人間の「五感」にそのヒントが、個々人の(無意識も含む)意識の舞台上に、希望もしくは秘密があるのではないかと、つい1年ほど前まで、僕はそう信じていました。
また、そのような内的革命を促す、まだ使用されたことのない感覚を刺激する、開花させるような作品を良しとし、これは18世紀の詩人ウイリアム・ブレイクの言葉ですが、「もし知覚の扉が浄化されるならば、全ての物は人間にとってありのままに現れ、無限に見える。」を、自身の創作信条として参りました。
が、少しずつ僕の内で何かが起こり、始まり、・・・。

以前作られた楽曲の質感、狙い、真意等は、幾ら再ミックスダウンを施したところで、変えようがありません。ですから、上記の動画は、やや消化不良気味に感じる、ピントがぐらつく箇所があります。が、この澱み、分裂こそが、現在の僕の心境、立っている場所そのものの姿ではないかなと、漠然と、出来上がった動画を見て、そう感じます。

ところで、話は変わり、今年は4月から、床絵美のソロアルバム第2弾、そしてリウカカントの3枚目のアルバムの録音・制作に入ります。
年内には発表できるかと思いますので、またどうか宜しく、乞うご期待ください。


film and music by Takeshi Kainuma / 映像と音楽:海沼武史

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