(ちょっと小話ー。)
〈写真の世界〉に在籍している、写真界に職を置くものにとって、ロラン・バルトの『明るい部屋』、ゲルハルト・リヒターの『写真論/絵画論』、ヴァルター・ベンヤミンの『複製技術時代の芸術』、これらの著作は、写真について語られた、論考された、非常に代表的な、お馴染み3点テキストですが、実は、あまり大したことは描かれていないんですね。もちろん、《写真》に携わっている方、またはこれから係わろうとしている方々にとっては必読の書、だとは思いますが、《写真》そのものに近づくためのルート、これは、難事と言ったら難事だし、いや、単純と言ったらほんと単純な事なんですが、どうも彼等には描き切れなかったようです(ある種の人々は自身の視覚の密度、その射程範囲の限度を補うためについつい複雑に考える、言葉による思考を利用することを好む、そしてますます《写真》から遠ざかる)。
では、他人の表現をとやかく言う前に、僕がその《写真》そのものに近づくためのルートを示せ、という事になるのですが、「野暮だな」と知りつつ、僕はこのブログにおいて“間接話法”により、いや、間接話法に頼るしか実の処ないんですが、ずっと描き続けていたのですね…(誰もやらないから)。「写真へのルートだと?だからなんなんだ!」と言われたら、まさしく、だからなんてーことはない、でも、気づきませんでした?