2010/09/02

堀内幹の旅路 / Kan Horiuchi's blood


七尾旅人がTwitterで書いていた。
「堀内幹さんに会ってまた改めて強く思ったが、シンガーソングライターって埋もれた怪物がごろごろいる。
SSW(シンガーソングライターの略)はシーンを基盤にしない。
基本、結託しないので、何年も孤立し続け無名のまま怪物的な芸に達した人たちが全国にいる」と。

堀内幹、いや、僕は幹(かん)ちゃんと呼んでいるから、彼は孤立した存在ではない。単独的であり、孤高かもしれないけれど、孤立はしていないと思う。
幹ちゃんは確かにミュージシャンとして“怪物的”な能力を持っているけれど、怪物くんではないわよ。

1937年、結核のため30歳という若さで死去した中原中也という詩人については皆さんよくよくご存知かもしれませんが、中也の「山羊の歌」にはこんな詩が収録されています。

汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる

そして、映画「誰も知らない」挿入歌でもあったタテタカコの「宝石」という作品は、たぶん25,6歳の頃に書かれたのでしょうか

氷のように枯れた瞳で
僕は大きくなっていく
誰にも寄せつけない
異臭をはなった宝石


昨日、9月1日に全国で一斉に発売された堀内幹、初スタジオ録音盤『one』には収録されていませんが、幹ちゃんが15年ほど前に、22,3歳ですでに書いてしまった「デスマスク」という作品を、今夜は皆さん聴いていただきたいと思います。

わ!もちろん『堀内幹 / one 』は、“買い”です。

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