写真集のテーマに沿って写真を選別した後の工程は、その厳選された写真の組み合わせとページ順を決めてゆく作業に入ります。ここがもっとも気を使うところです。
見開きで、左右の写真をどんな組み合わせにするのか。2つの写像が響き合い、ちょっと不思議な効果がもたらされるからです。物理的な視覚を超えた、違う感覚への開示にも繋がるような気もします。それはたぶん写真集と言う形態が持ち得る「行間」の意識的な構築なのです。
もちろん左右の写真を無造作に並べ、ばんばんページを展開させるという偶然性を重んじた見せ方もあるし、また、私的なストーリーを紡いだドキュメント色の強い構成の仕方もあります。コンセプチュアルアートのようなテイスト、無作為性を徹底して商品カタログに近い見せ方もあります。
しかし今回は、その全てをちょっとづつ網羅しながら、そのどれにも収まらない響きを放つ写真集になればと思っています。
0 件のコメント:
コメントを投稿