2025/02/19

究国 awakening with


 

~エンジニアリングについて~

 

他者の心から溢れ出し、3次元空間へと流れ込み、そこに時間が加わった4次元世界に音や響きの運動として現れた「音楽」に対して、どう向き合うかがエンジニアリングという作業には求められます。

これは、自分が作り出した音楽についても(僕は自分の楽曲を自らイコライジングしますので)同様ですが、他者が作り出す音楽は、「ここをもっとこうすればこのミュージシャンの音楽が持つ世界観は伝わりやすくなるのに」という楽曲そのものへの直接的な関与は御法度で、あくまでも録音された音楽を理解し、自分の内側へと流し込み、そこで得られた瞬きやヴィジョンなどを、彼らの音楽世界の想いのコアへ歩み寄り、こちらの感性や知性、技術などを同期させ、リスナーへどう繋げてゆけば作曲者や演奏者はもちろんのこと、適切に、明確に、皆が納得のゆくものとして、届けられるだろうか?と、そんなことばかりを考えます。(彼らが作り出した音楽という食べ物をどんなお皿に盛り付ければ最大限に生かせるか?ですね。)

ただ、他者の音楽作品ではなく、自分が作り出す音楽に関して言えば、エンジニアリング、マスタリングという作業も含めて、すべて自身の作曲行為の一部となります。

DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)による楽曲制作、そこから生み出される音楽世界とは、イコライジングも含め、そのすべてが創作行為なのです。

ゆえ、僕が作る音楽作品とは、あくまでもLRの2つのスピーカーから表れる音響世界、録音物としての「作品」であり、自作を人前で演奏することはありません。そんな生演奏をお見せできる技術もないので。(笑)


この「awakening with」(2020年作)という楽曲は、やや大袈裟に説明すると、すでに我々は目覚めているという気づきへ接触しようとする試みであり、またはこれについて言及した(ポップで分かりやすい)音楽作品だと思います。

 

 


0 件のコメント: