冬眠暁を忘るる
処処啼鳥は出づ
夜来風雨の理
何時ぞ来るらむ
花咲ける頃
この世界の人間の(一時的な生存における)究極の目的とは、心の自由だと思います。
この自由とは、物理的に満たされた環境、悠々自適な暮らしを手にすることではなく、時間と空間の法則に巻き込まれ、「一人の人間とは個別意識を持った一時的存在である」という通常の自己認識からの脱却を意味しますが、自分の肉体をその為の手段とすること、五感も、意識も、心の自由という目的に仕えること、そしてこの現象世界、宇宙そのものが心の全的な解放のための、すでに心が自由自在である事を再発見するための〈夢の舞台〉と見做すこと。
この地球上での生活の内で、人間が成し得るこれ以上の挑戦と冒険はないと思います。
憑かれてゐるのだ、俺は。蒼空、蒼空、蒼空、蒼空。(ステファヌ・マラルメ)
死とはなにか?
生死を超えた「生命」に礼拝するための通過点としての、この世界における死。
〈空〉のように澄み切った、境界のない自由な心に、一体誰が、何が、攻撃できるのか?
〈空〉とは、怒りや悲しみとは無縁であり、そこに本然の自分である「唯一の我」が舞い降りて、これを自得する瞬間の前触れ。
if (2020年作)
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